「風景との一期一会」とデジタル写真

隔月刊 風景写真の2006年フォトコンテストには、新たにデジタルフォト部門が加わります。それに伴い、今まで多少曖昧だったフォトレタッチについてガイドラインを風景写真9/10月号やホームページ(フォトコンテスト2006・Q&A)をに掲載したところ、読者から質問をいただきました。

そのご質問は、要約すると“自然な雰囲気に見せるための合成は認められますか?”というもの。それに対する回答はホームページのQ&Aにも記していますが、“極力1回のシャッター、一枚の画像の中で作品を完成させてください”とお答えしました。
私達は風景写真の最も大切な部分として、“出合いの瞬間”を撮ること、風景との“一期一会”の精神があると考えています。そのため“撮影時に作品を完成させる”という姿勢をできるだけ大事にしたいのです。

しかし、このような考え方が果たして皆さんに受け入れられるのか、正直なところ不安な気持ちもあります。私達としては信念をもってやっていることでも、見方を変えると“古い価値観にしがみつき、新しい技術を否定している頑固者”と映るやもしれません。
実のところ、この質問をくださった方に回答を送るとき、相手の方を怒らせて、読者を一人失うことも覚悟しました。

ところが、その方からすぐに次のようなお返事をいただきました。

「フィルムカメラの時には一枚の写真を撮るのに、本当に真剣に取り組んでいたように思います。ところが、デジタルになってから、安易にシャッターを切り、後からどうかすればいいや、というような、安易な考えに傾きかけていたような気がします。(中略)丁寧なご回答、心洗われます。初心に帰って、撮影にのぞむ大切さを教えていただきました。ありがとうございます」

私達の方こそ、心が洗われました。信念を持ってお話をすれば思いは通じるのだと教えていただいた気がします。
最近あった、ちょっとうれしい出来事でした。

e0041948_14295931.jpg写真は編集部の窓から見た風景。今日の東京は台風一過の抜けるような青空。日差しが強く真夏のような暑さです。
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# by fukei-kaoru | 2005-09-08 14:38 | 仕事

“写真は記録”か?

風景写真11/12月号の口絵に登場する写真家・丹地敏明さんの事務所でインタビューを収録。写真は収録前に食事をした、事務所近くのレストランで撮影したもので、隣は丹地さんの奥様です。

e0041948_192168.jpg丹地夫妻は“業界でも有名なおしどり夫婦”と言いましょうか。
撮影にはいつも奥様がご一緒され、撮った作品の整理、管理も奥様がいなければままなりません(よね?丹地さん)。
その意味で、丹地さんの作品は奥様との共同制作と言えるかも知れませんね。つまり、それくらい、仲睦まじく、ご一緒に仕事をされているという意味です。

丹地さんとは、私がまだ新人の頃から仕事でご一緒させていただくことが多く、当然、奥様にも大変お世話になっています。
今日はちょっとリッチな雰囲気のレストランで、昔話も交えて楽しい会話と、美味しい食事を堪能しました。
こういう時間って、編集者の特権とも言える贅沢だなぁ〜と思います。

ところで、今日のインタビューでは、最近気になっている疑問を丹地さんにぶつけてみました。
と言うのは、丹地さんは最近よく“写真は記録だ”とおっしゃっているのですが、私としては、どうもこの言葉に引っ掛かるものを感じていたのです。
だって、風景写真が単に見たままを記録するものだとすれば、つまらないと思いませんか? しかし、一流の写真家が語る言葉には、必ず一面の真実が含まれているはずなのです。
今回のインタビューは、私なりにその真実に迫ってみたつもりです。
結果は・・・風景写真11/12月号をお楽しみに!

●丹地敏明さんの近著
美しい日本・四季の名景—蔵出し!
丹地 敏明 / 日本写真企画
ISBN : 4930887798
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# by fukei-kaoru | 2005-09-06 20:03 | 仕事

前田真三賞受賞者

e0041948_1557189.jpg今年度の前田真三賞を受賞された窪田諭人さんが、奈良県から編集部を訪ねてくださいました。

諭人さんは、本当は「つぐひと」と読むそうなのですが、読み方が難しいので写真家としては「ゆじん」で通すそうです。
「ゆじん」さんと言えば、すぐに「冬のソナタ」のチェ・ジウが思い浮かぶのは私だけでしょうか。チェ・ジウは今のロングヘアーよりも、やっぱり冬ソナの頃の清楚なショートの方が良かったよな〜。
なんて、どうでもいいですね。そんな話は。

窪田さんとは、前田真三賞受賞者としての心構えといったことなどについてお話ししました。
前田賞受賞者としての心構えとは何か!
それを聞くことができるのは、受賞者だけの特権ということにしておきましょう。

窪田さんの受賞作品は、10月20日発売の風景写真11/12月号に掲載されます。お楽しみに。また、11月10日から新宿のアイデムフォトギャラリー「シリウス」で行われる受賞作品展では、受賞作全30点をご覧いただくことができますので、こちらも是非足をお運びください。
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# by fukei-kaoru | 2005-09-03 16:22 | 人・写真家

山本一さん

e0041948_21325168.jpg次号の風景写真11/12月号の口絵に登場する山本一さんが、打ち合わせとインタビュー収録のため来社。

山本さんは新潟の棚田をテーマとする写真家で、この春上梓した「越後の棚田・原風景に佇むとき」が各方面で高い評価を受けています。

今日のインタビューでは、棚田を撮りに訪れるアマチュア写真家の撮影マナーについてもお聞きしましたが、想像していたよりも現状は遥かにひどいことになっているようです。
信じられないようなひどい話の数々に、少々暗い気分なりました。
ホント、このままだと棚田から写真家が閉め出されてしまいますよ。
みんなで気を付けていきたいものです。

山本さんは、9月21日まで富士フォトサロン仙台で写真展「越後の棚田・原風景に佇むとき」を開催中。17日にはセミナーも行われるとのことですから、興味がある人は、会場に問い合わせてみてください。

越後の棚田―原風景に佇むとき
山本 一 / 東方出版
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# by fukei-kaoru | 2005-09-02 21:36 | 人・写真家

福田健太郎さん来社

e0041948_16372266.jpg写真家の福田健太郎さんが、原稿を持って来社。福田さんは実は自宅がご近所で、先週、よく行くスーパーでばったり出くわしたばかり。福田さんが近所に越してきて、もう3年ほどになるのですが、地元で顔を合わせたのは初めてです。お互い、油断しまくりの超クールビズでした。おっと仕事じゃないからビズじゃないか?

福田さんが右手に持っているのは、9月9日から東京富士フォトサロンで開催される福田さんの個展「泉の森 〜いのち宿る大地〜」の案内ハガキ。福田さんがメインテーマとして取り組んでいる“森”を描いた渾身の写真展です。是非ご覧になってください。

ところで、なぜ、福田さんは左手にお菓子を持っているのでしょうか。それは、このお菓子が、この日、怒れるスタッフをたった一口で鎮めたものとして、編集部で話題になっていたからです。もちろん、福田さんはそんな事情など知らずにお菓子を持たされています。いや、マジで美味しかったです。
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# by fukei-kaoru | 2005-09-01 18:33 | 人・写真家

休暇明け

久々に長い、といっても3日間ですが、休暇を取りました。
休暇中は、実家に帰省したり、大阪の水族館に遊びにいったり、法事があったりと大忙し。
気持ちはリフレッシュできたかもしれませんが、肉体的にはバテバテです。

e0041948_10163667.jpgというわけで、休暇明け初日の昨日はまるで仕事になりません。そこに写真家の川隅 功さんから電話。聞けば、夕方、銀座・富士フォトサロンに高橋 毅さんの写真展「瀬戸内の楽園」を見に出かけるとのこと。もともと、絶対に見たかった写真展でしたので、ならばご一緒にと、たまっている仕事を打っちゃって出かけることにしました。
(写真左:高橋 毅さん 右:川隅 功さん)

高橋さんは、四国在住の風景写真家。地元四国の風景を中心に質の高い作品を発表し続けています。今回の写真展は、同名の写真集発行に合わせたもの。写真集も素晴らしいのですが、大判のプリントによる味わいはまた格別です。日本画を意識したという額装も美しく、作品の格調を一層高めています。


展示されている作品は自然風景はもちろん、大阪湾の夜景や、本四連絡橋のある風景、瀬戸内を往来する船の光跡など、幅広い素材を対象にしています。並の技量ではまとまりのないものになるところですが、そこから「瀬戸内の楽園」というスケールの大きな
テーマを浮かび上がらせることができるのは、高橋さんの素材に対する包容力と、確かな構想力によるものでしょう。さすが!です。

東京展は9月1日(木曜日・午後2時まで)、その後、12月に福岡、来年2月に広島、7月に大阪と、各地の富士フォトサロンを巡回しますので、ぜひ、ご覧になってください。

高橋毅写真集 四国の楽園
四国4新聞社 / 愛媛新聞メディアセンター
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# by fukei-kaoru | 2005-08-30 11:59 | 仕事

都内某所にて

秋の気配が感じられるようになったとは言え、まだまだ暑さが厳しい日が続きます。
汗かきの私は外回りが辛い。

今日は銀座で営業関係の打ち合わせの後、富士フォトサロンで日本写真家連盟のチャリティー写真展を見学。プリント販売は随分盛況のようで、ほぼ全ての作品が“売約済み”でした。
特別出展の竹内敏信さん、川口邦雄さんの作品が、驚きのチャリティープライス!
もちろん既に売約済みで、ちょっと残念。
でも、どっちにしろ、私の小遣いで買える額ではありませんが・・・。

その後、一度本郷の編集部に戻り、再び打ち合わせのため都内某所へ。
打ち合わせは2006年の誌面に関するもので、内容はまだヒ・ミ・ツ!
とても有意義な打ち合わせで、大満足でした。

それにしても、暑さの中を1日動き回るのはキツイ。
どうやら、私は少し夏バテ気味なのかも知れませんね。
皆さんは大丈夫ですか。
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# by fukei-kaoru | 2005-08-23 19:04 | 仕事

9/10月号発売中です

隔月刊 風景写真9/10月号が昨日(8月20日)発売されました。

毎号、厳しいスケジュールで作っているのは変わりないのですが、今回はいつにも増して超ハードな進行。私を含め、忙しさには慣れているスタッフ達も、9/10月号の追い込みでは久々に目の色変わりましたね。
それだけに、できあがった9/10月号は格別可愛い気がします。

特にどこが可愛い、というのはありませんが、皆さんの反応が一番気になるのは、第2特集「はじめる!デジタル風景写真スタイル」でしょうか。
ちょっと、今までの本誌にはない切り口の企画だけに、どのような感想を持っていただけるか、気になるところです。いかがでしたか?

季節はまだ真夏ですが、夜には秋の虫の音も聞こえ始めました。
風景写真9/10月号で、一足早く秋の風景をお楽しみください。

9/10月号が発売されたばかりと言うのに、私はもう休日出勤。
たまっている伝票処理やら、会議のメモの整理やらと、朝から雑用で時間が過ぎて行きます。
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# by fukei-kaoru | 2005-08-21 15:52 | 仕事

初めまして

はじめまして。
隔月刊 風景写真編集部のkaoruと申します。
これまで、隔月刊 風景写真のホームページでWEEKLY編集部というコーナーを作っていたのですが、今回からブログに切り換えることにしました。
よろしくお願いします。

e0041948_18433552.jpg昨日、東京銀座の富士フォトサロンで開催されていた岡本良治さんの写真展「農の記憶」を見に行きました。仕事柄写真展はなるべくたくさん見なければいけないのですが、忙しくてなかなか出掛けられないのが現状。岡本さんの写真展も見たい見たいと思いながら、最終日に駆け込みでようやく見ることができました。
農村とその周辺の状況を暖かな眼差しで見つめた作品は、懐かしさと人の温もりが感じられて、いつまででも見ていたい気持ちになります。良い写真展は数多くありますが、写真展を見て泣きそうになったのは初めてのような気がします。

作品の間に、ところどころ短い文章が添えられているのですが、実はそれを通して読むと、一つの文章として繋がるようになっています。作品を見ていくのと同時並行的に、その背景にあるストーリーが徐々に浮かび上がるという仕掛けですが、その仕掛けが岡本さんの作品世界にはぴったりで、岡本さんの気持ちや、写真を通して伝えたいことをより分かりやすく伝えてくれました。

忙しくても、なるべく写真展を見る時間を作らなくては、と大いに反省させられました。写真は横着をして携帯のカメラで撮ったものです。胸ポケットに入れていたので、ちょっとレンズが雲っていたようです。
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# by fukei-kaoru | 2005-08-19 10:22 | 仕事


『風景写真』11-12月号発売中です


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