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通好みの色彩表現

年々、テレビというものを見る時間が減ってきています。
仕事が忙しくてテレビを見ている時間がないからなのですが、それだけということでもありません。

その理由はともかく、昨日、久しぶりに家でテレビを見ていたら、昼間だというのに妙にコントラストがきつい感じがして、目が痛いと感じるほどでした。彩度も強すぎるような感じがします。
しばらく、そのままで見ていたのですが、どうにも我慢ができず、画質調整を試みることにしました。
調べてみると、画質モードは「スタンダード」、つまり“標準的”な画質に設定されています。他にもいくつかのモードがある中から、「プロフェッショナル」というものを選んでみると、ガクンと彩度もコントラストもおとなしくなり、まるで画面が暗くなったように感じられるほどでした。試しにしばらくそのモードで見ていると、すぐに目が慣れて、むしろ好ましい画質に感じられるようになったのです。

テレビは家電販売店の店頭で客の目を引くため、デフォルトの色調モードでは、かなり彩度もコントラストも高く設定されていると聞いたことがあります。そのようなテレビで元の映像信号に忠実でナチュラルな画像を得るには、自分で画質を調整しなくてはなりません。
我が家のテレビも、今まで気にすることなくデフォルトの画質モードのままで見ていたのですが、もし、子供達がそのままずっと鮮やかすぎる画面を見続けていたら、おそらく色に対する感覚が鈍くなってしまうことでしょう。
これはテレビに限ったことではなく、一部のデジタルカメラでもデフォルトの色調では、彩度、コントラスト、シャープネスなどが高めに設定されているものがあります。

色調について言えば、フィルムユーザー、デジタルユーザーの別に関わりなく、風景写真愛好家に通じる一般的な傾向として、彩度、コントラスト、シャープネスを高めた表現が好まれています。
こうした表現は確かに人目を引きつけますが、言い換えれば大声で人を呼び止めているのにも似ていて、表現としては安易に通じる面があると思うのです。
彩度を高めすぎることは、自然が本来持っている色彩から離れていくことにつながりますし、高コントラストは豊かな諧調と二律背反の関係にあります。
“大声で叫ぶような表現”ではなく、繊細なトーン、微妙なニュアンス、ナチュラルな質感描写、といったところを語れる風景写真こそ“通好み”であって欲しいと思うのですが、いかがなものでしょう。


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by fukei-kaoru | 2008-02-24 04:32 | プライベート


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