写真で花を咲かせましょう

『風景写真』3-4月号(2月20日発売)のトップを飾るのは、丹地敏明さんによる桜の口絵「花神」です。「花神」というタイトルは、実は私から提案したもので、中国語で“花咲じいさん”の意味だそうです(司馬遼太郎著「花神」より)。
丹地さんに恐る恐るこのことをお話しすると、むしろ“花咲じいさん”と呼ばれることがすっかりお気に召したようで、即採用となりました。
珍しいことではありますが、このように編集部から口絵の総タイトルを提案することもあります。

では、どうして今回の口絵に私は“花咲じいさん”を提案したのか。それは、私が以前から「風景写真作家は、名もなき風景に命を与える花咲じいさんである」と思っているからです。

丹地さんの撮る桜の多くは無名の桜です。
農家の庭先で見に来る人もなく、ひっそりと花をつけている桜や、丹地さんが撮っているのを、地元のアマチュア写真家が不思議そうに見ながら通り過ぎていくような桜もあります。
そうした無名の桜が、丹地さんが撮影し、作品を発表することによって、多くの人が訪れるようになったという例は少なくありません。
丹地さんの作品によって、その存在さえ知られていなかった無名の桜が多くの人に見初められたのです。
それは、見方によっては、写真作家が写真を撮ることによって、無名の桜が多くの人の心に花開いた……つまり、写真作家が花を咲かせたとも言えると思います。
そういう意味で、丹地さんは日本各地に多くの花を咲かせてきた花咲じいさんなのです。

これは桜に限らず風景写真全般について言えることだと思います。
丹地さんだけでなく、風景写真作家たちは自分の目と心で発見した風景を写すことによって、風景に新しい価値を見出し、作品として、あるいは人々の心に残すことで、命を与えている、と言えると思うのです。
1人でも多くのアマチュア風景写真作家が、“花咲じいさん”の気持ちで風景を見つめていけば、撮影名所、自然観光地ではない何気ない風景にも目が向けられ、“世の中、随分変わるはず”というのは、ちょっと言い過ぎでしょうか。

おっと、もちろん、花咲ねえさんでも、花咲にいさんでもオッケーですから。


風景写真モバイルサイトからも、このブログを読むことができます
アクセスの方法は下記の3通り。

1.URLを入力する
URL http://kmaga.jp/fukei/
2.空メールを送る
メールアドレス fukei@kmaga.jp
3.QRコードを利用
e0041948_953980.jpg



[PR]
by fukei-kaoru | 2008-01-22 16:49 | 仕事


『風景写真』11-12月号発売中です


by fukei-kaoru

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

おすすめリンク

以前の記事

2012年 02月
2012年 01月
2011年 11月
more...

検索

フォロー中のブログ

風景写真出版からのおしらせ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧