シャープに撮るということ

仕事柄、大量のアマチュア写真家の作品を拝見する機会が少なくありません。
つい先日も実に5時間以上、ほぼ、ぶっ通しで作品を見続けるという機会があったのですが、そこで少々気になったことがあります。
感覚的な印象なのですが、おそらく半数近くの人の作品が“何らかの原因”でシャープではない、のです。
“何らかの原因”とは、ブレ、ピンぼけ、被写界深度の不足などさまざま。ブレにしても、被写体ブレ、カメラブレの両方があり、傾向を一つに絞り込むことはできませんが、強いて言うなら「シャープに撮ること」に対する認識が薄いということでしょうか。

一般論として風景写真はシャープに対するハードルが高いと言えます。
シャープであるということは、必ずしも作品作りにおける絶対条件ではありませんが、風景写真の場合ではシャープに見せるべき部分の質感、ディテールがしっかりと描かれていることは、作品の完成度を高める上で重要度が高いのです。
特に大きなプリントに伸ばして見せる場合には、ルーペでは気にならなかった微妙な甘さが目立ってきて、作品の印象ががらりと変わってしまうことがあります。

作品にどの程度シャープさを求めるかは、ある意味で“目的”によって変わると言えます。大きくプリントするつもりがないのであれば、手持ちで気軽に撮るのも悪くはないでしょう。
しかし、いつかは写真展や写真集を、と考えているのであれば、シャープさについてよりシビアに見極めるべきです。

冒頭で「『シャープに撮ること』に対する認識が薄い」と述べましたが、言い換えれば、それは自分の写真がシャープでないことに気が付いていない、ということになります。
経験豊富なプロやハイアマチュアにピントやブレをチェックしてもらうのも良いと思いますが、それだけではシャープを見極める感覚は養われません。
写真展に足を運び、優れた作品を目にすること。そして何より、時には自分の作品を大きく引き延ばしてチェックしてみること。シャープを見極めるには、自分で経験を積んで感覚を養うことが不可欠であるように思います。
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by fukei-kaoru | 2007-09-24 19:18 | 仕事


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