大事なのは“場所”?

3月1日の投稿に、昔からお馴染みの読者の方から、とても良いコメントをいただいたのですが、なぜか、非公開にされています。
なので、お返事をするのがむずかしいのですが、ご意見には同感です。

たまたま昨日、二人の写真家の方と飲んでいて、アマチュア写真家の皆さんの中には、“場所”にとらわれすぎている方が多いのではないか、という話になりました。

例えば『風景写真』で気に入った作品が載っていた場所にでかける、
撮影ガイドブックに載っていたポイントに出かける。
本に載っていたのと同じ時期、時間に、同じポジションから、同じ様なフレーミングで狙う。そうすれば、後は条件にさえ恵まれれば良い写真が撮れる・・・と。

もちろん、経験の少ないうちは、お手本に倣って撮ることは、上達するための良い勉強になるということは間違いありません。
しかし、どこかでお手本に倣うのをやめて、自分の感覚で風景を見つける、捉えるということにステップアップしなくては、本当の意味で写真表現をしているとは言えないと思います。

ところが、ある程度撮影に慣れた後も、“場所”にこだわる人が多いために、限られたポジションを争ったり、ポジション争いを離れて、前へ前へと出て、入ってはいけない場所に入ったり・・・ということが起こります。

非公開のコメントをくださった方は、某プロ写真家の薫陶を受けているのでよくご存知だと思いますが、プロ写真家は自分の撮影では、アマチュア写真家が多く集まるポイントにほとんど関心がありません。非常に有名な撮影ポイントで、何十人も三脚を立ててレンズを一つの方向に向けている場面に居合わせたとしても、全く別の方向を狙っていたりします。
かと思えば、シャッターチャンスと言われている時間が過ぎ、潮が引くように人がいなくなってから、撮っていることもあります。

なぜでしょうか?
答えは簡単です。そこでの風景は撮り尽くされていると知っているからです。
そして、それ以上に、自分の心、感性で見つけた風景を撮ることを大事にしているからです。
そこに前田真三が言う風景写真の極意「出合い」であり、「一期一会」「感じて撮る」など、多くのプロ写真家がそれぞれの言葉で表している風景写真の真髄があります。

『風景写真』のコンテストで審査を担当している写真家達も、誰一人“場所”を評価してはいません。有名であれ、無名であれ、どんな場所を撮っていても、そこでの作者の見方、感じ方を評価しているのです。

少しでも多くの方が、「場所探し」からステップアップして、自分の目と心で、自分だけの風景を見つけられるようになること、
そして風景写真を通じて、豊かさを感じられるようになることが私たち『風景写真』の願いです。
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by fukei-kaoru | 2006-03-10 23:09 | 仕事


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