ウルトラマンと風景写真の微妙な関係

突然ですが、もしウルトラマンにカラータイマーがなかったら、
地球上で何時間でも戦える万能の超人だったら、と考えると、
ちょっと味気ないと思いませんか。
もしそうだったとしたら、あそこまで熱狂的に子どもたちに受け入れられることはなかったのではないかと、私は思います。

ウルトラセブンも同様ですが、そもそも彼らはなぜ地球人の姿を借りて正体を隠して行動しているのでしょうか?
怪獣が現れて、危機が訪れる度に、こそこそと姿をくらまし、変身する。
時にはベーターカプセルを落としたり、ウルトラアイが盗まれたり……。
そんなめんどくさいことをしなくても、ピンチになったらどこからともなく現れて助けてくれたらいいじゃん!!
でもそうではない。
なぜでしょう?

答えはその方が“面白いから”です!!

特にヒーローものなどがわかりやすいのですが、主人公やストーリー上になんらかの制約、“縛り”を設けることによって、ドラマを盛り上げることは、ストーリーテリングの基本的な手法です。
だから、古今のヒーローには弱点を抱えたものが多いでしょ?

たとえば、スーパーマンはクリプトナイトとロイス・レーンにからきし弱い。
人造人間キカイダーはギルの笛。
インディー・ジョーンズは蛇が苦手。
風大左衛門は女の子に弱いし、ハクション大魔王はクシャミをしないと出られない……

要するに物語はなんらかの“縛り”があった方が、面白く、そして強くなると言えるのです。

実はこれ、写真表現でも同じことが言えると思います。

写真において、もっとも大きな“縛り”のひとつは「テーマ」です。

テーマを持つことで撮影対象は制約されますが、作品をより強く、印象的にすることにもつながります。

そう考えると使いようによっては写真を強くする“縛り”っていろいろありますよね。
たとえば自然風景派の人にとっては「人工物」を撮らないというのも表現上の“縛り”と言えるかもしれませんし、ある写真作家は、「人の姿を写さずに風景に人の気配を感じさせる」という“縛り”を課していると聞いたことがあります。
「モノクロ表現」とういうのもひとつの“縛り”と言えるかもしれません。

できることが広範に広がっているデジタル写真時代だからこそ、“やらないこと”、“撮らないもの”について考えてみることも有意義だと思います。

余計なことですが、くれぐれも自分の“縛り”を他人に強要しないことも大事です。
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by fukei-kaoru | 2011-05-13 10:48


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