アレ・キュイジーヌ!

昨日、一昨日と、久しぶりに写真家と取材に出かけてきました。
場所は新潟方面、撮影をお願いしたのは萩原史郎さんです。
メイン日程の昨日は、風が強く、時折雨も降り、今回の取材のテーマには向かない状況でした。
それでも、どうにか無事想定した素材を撮り終えることができたのは、やはり、プロの経験と感覚によるものにほかなりません。

一流の風景写真家というのは、一流のシェフ、板前さんに似ていると思います。
市場や農家に出かけ、旬の素材やその状態を見極め、その持ち味をできるだけ引き出すように仕事を加え、食器の上に一つの風景を描きだす。
風景写真家もそれと同じで、風景の中から旬の素材、感性に引っかかる題材を見つけ出し、その持ち味をできるだけ活かすように、フレーミングというお皿に風景を再構築して、見る人に提供しているのだと思うのです。

料理人もさまざまで、メニューに載っている決まった料理を、レシピに忠実に、なおかつ、常に同じ味で提供するのも、大事な仕事であり、おそらくはそれができるようになるまでには長い修行と、持ち前のセンスが必要なのだと思います。
実は風景写真の撮り方にも、それに近いアプローチがあり、狙ったポイントで、あらかじめイメージした映像に近い状況になるまで、何度も通って、待って撮るような作品の作り方をすることもあります。
もちろん、そうして撮られた作品にも、素晴らしいものが数多くありますし、そのような撮り方を極めていくには、大変な努力と技量が必要であることは言うまでもありません。

しかし、気の利いたレストランには、必ず旬の素材を活かした、その日だけの特別メニューがあるように、ことプロ写真家について言えば、その時々の旬、現在目の前にある素材を活かして最高の一品を作る能力、感性が必須です。
少なくとも、その力がない人には、今回のような取材企画をお願いすることはできないのです。

出合ったその時の条件、被写体の魅力を引き出して撮る風景写真は、決して派手で迫力のあるものばかりではありません。しかし、だからこそ、優しく、奥深く、見る人の心を癒す表現につながるとも言えます。
一つの撮り方、スタイルだけにこだわる必要はありませんが、時には市場で新鮮な素材を目利きし、即興でレシピを考えるシェフの気分で目の前の風景をフレームに盛りつてみると、作品の幅と、撮影の楽しみがぐんと広がるのではないでしょうか。

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2008 美しい風景写真100人展《福岡展》
【会期】
5月8日(金)〜5月21日(木)
9:00~17:30(土曜日15:00、最終日は14:00まで)

【会場】
富士フイルムフォトサロン福岡
TEL 092-510-4803
アクセス:
福岡市博多区住吉3-1-1 富士フイルムビル1F
JR「博多駅」より歩約


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by fukei-kaoru | 2009-05-15 11:55 | 風景写真


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